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Hayato Wakabayashi Photography

Hayato Wakabayashi Photography 若林勇人

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今度、また

2018年8月3日

他の道に比べて、起伏も少なく、景色も代わり映えのしない平野部か山に挟まれた谷あいの道がカーブも少なく青森まで続いている。やはり何度走っても単調な高速道路に変わりはなかった。

あの日もその単調な道をニキ美術館に向けて彼女の実家の車で走っていた。

卒業の時期がずれ、彼女の卒業制作をみることができなかったので、本にまとめたものを送ってきてくれていた。純粋な視点と憂鬱な不安が入り混じったような作品ですね、とわかったような感想を当時送っていたような気がする。そんな彼女が今回のニキ美術館行きを計画した。
オレンジ色のコンバースがやけに目につくので靴について尋ねると、ソールと靴の色が同じ限定品でいろいろな色のバリエーションらしい。バイヤーをやっている彼女はパリでみた馬がショーをやる舞台が素晴らしかったといっている。同乗している社長秘書をやっている友人は最近、社長の美術コレクションの整理を任されていてその中に「解体新書」の本物があって驚いたという。
目的地に向かうという目標と、目的地までのあらかじめ決まった時間のなかで、お互いの近況と無駄話をしながら走っていく。高速道路を降りると観光地を思わせる飲食店の看板やリゾートホテルに混じってモノトーンに日章旗が書かれた観光地とは似つかわしくない施設を通り過ぎ、美術館についた。

恵比寿で友人の結婚式の二次会に行ったとき久しぶりに彼女に会った。なんどか連絡はもらってたのだけど、なかなか都合があわずずいぶんとご無沙汰してしまった。いつでも会えると思っていると反対になかなか会う機会がなかった。
部屋の壁を漆喰で自分で塗ったようで、壁が呼吸してるとかでとても部屋が快適になったという。一度部屋に来て、見てほしいという。かなり良い感じにできたので自慢したい様子だった。今度一杯飲みに行こうとその時は別れた。「今度」とはいつのことを指してわからないし、どんな約束にもならない。永遠につづくと思っている友人関係の親密さの表現だとしてもそれは不誠実な言葉だとわかっていた。

また暑い夏がやってきた。
彼女に会うのはずいぶん先のことになるだろうけど、今年も予定しておくよ。

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