東北道の盛岡インターを降り雫石方面へと国道46号線を走り、田沢湖の周回道路を経て国道105線をひたすら北上する。105号線を秋田縦貫鉄道と並行して走っていると比立内(ひたちない)、笑内(おかしない)、阿仁合(あにあい)など、見慣れないアイヌ語由来の地名が現れる。駐車場には韓流ドラマのロケ地で使われたことを示す看板がある阿仁合駅で馬肉うどんを食べ打当温泉に立ち寄ると目的地は近い。このあたりまで東北道を降りてから2時間半、東京からは約9時間ほど、車でかかる。(実は東京から飛行機であれば大館能代空港から30分。荷物が少ない場合はこちらがおすすめ。)
秋田森のテラスは造園家の山田茂雄さんが故郷である秋田に造った約26ha(大きさがイメージしにくいので、東京ドーム5個分とちょっと、もしくは東京ディズニーランドの半分くらいと同じ大きさ)の大きさのオープンガーデン。山の分水嶺から敷地になっているので、沢があり、池があり、田んぼや畑、昆虫や動物など生物も多様に生息する。近くには阿仁川がながれ、安の滝、桃洞の滝などの名瀑、小又峡や森吉山などの景勝地が周辺にはあり自然に囲まれたところにそれはある。2008年に初めて訪れてから季節の節目で依頼され何度となく撮影に行った。
秋田森のテラスのある種の奇妙さは、宿泊施設を彩るための庭、テーマパーク、教育を目的とした植物園、などとは違い目的が明確ではないというか、コンセプトめいたものは特にない、むしろそういった何かのための庭ではないところにある。庭を造る行為やそこに関わる人々、その場所の自然も含めてそれ自体が目的となっている。だからここに行けば何かを見ることができるとか、自然の中で美味しい食事ができるレストランが有るわけでもなく、何かがありますよと一言では説明することが非常に難しい。ひとりの造園家によって自然のなかにすっと差し込まれるようにあるとしかいいようがない。なんだかわからないから魅力的でもあるとも言えるし、訪れる人の想像力に委ねられている。2012年に一度冊子にまとめたときも冒頭で「しっかり言葉にできない事が多い」と始まる。
この場所に森のテラスを造ったことは森吉山ダムに伴う住民の移転も大きく影響したのではないかと思う。度重なる洪水の氾濫を抑えるために森吉山ダムは2011年に39年の月日を経て完成した。そのダム建設にともない山田さんの実際の生家や故郷はダム湖の下に沈み故郷の自然はすでに失われてしまっている。働いている作業員の人のなかにも同様にダムに沈んだ集落の人々がいる。それ故に失われてしまったからこそ理想の風景を自らの手で秋田に作ろうとしたのかもしれない。
と、そんな秋田森のテラスで2017年7月1日16時からほたるの鑑賞会があります。
場所:秋田県北秋田市桂瀬楢岱
http://blog.goo.ne.jp/moritera-a/e/133599cda1bab57f25d62d9c2b372444
山田茂雄造園事務所
http://www.yamada-shigeo-landscaping-design-office.com/
鷹巣から角館まで出かけた途中に目に留まり、翌日帰りに寄ってみました。ピアノが素晴らしく、ここはいったい何という気分でした。またお邪魔してもいいですか。Facebookに気楽に紹介してもよろしいですか♪
返信おそくなり申し訳ありません。
下記の造園会社が管理していますので問い合わせてみてください。
よろしくお願いいたします。
山田茂雄造園事務所
http://www.yamada-shigeo-landscaping-design-office.net/
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