ヒュースコットダグラスの日本での初めての美術館での個展を見に栃木県立美術館に行ってきた。
作品は当初の予定と代わり写真を使った写真作品と梱包材のダネージバックを使った立体作品、スライドの作品で構成されていた。展覧会情報では3Dスキャナーを使った作品もあるようだったが変更になったようだ。
印象に残ったのは倒産寸前の映画館から買い取ったフィルムをプロジェクターを使って投影する作品。映画の予告編をスクリーントーンと一緒に再構成して上映されていた。もとの予告編のフィルムから巧妙に意味が剥奪されていた。具体的には顔や、文字が逆さま(通常の映画的映像にとっての逆さま)になっていたり、スクリーントーンで隠されていたり、もとのフィルムの映像としての意味を回避しているようなものが多くあった。ヒュースコットダグラス自身が抽象絵画から出発しているようなので、あくまでマテリアルとして使っているように感じた。映像として捉えるとどうしても無意識に天地を決めてしまうものだと改めて思う。画像としての純粋性のようなもの、そもそも画像とはなにかといったような原理論へのアプローチとして捉えればよいのだろうか。それにしてもかっこいい。
