9月末から始まる個展で展示するラムダプリント用のターゲットプリントを時間をみつけては作っています。せっかくなのでプリント乾燥時間に自宅のプリンターでキレイにプリントする方法を簡単に書いておきます。9/21追記
(写真家向けではないです。あくまで非写真家向け)カラープロファイルやキャリブレーションなど関わって来るのですが、結構ややこしいので理屈はバッサリ省きます。あくまで「理屈はよく分からないが自分で今よりはキレイにプリントできる」を目指します。
はじめに
前提として写真の色は正しく表現されたデータであることとします。自分で色の調整などせずに済むもの。データに忠実にプリントすることを目標とします。自分で正確に調整しようとすると下記のようなキャリブレーションがとれるモニターとセンサーなど必要になります。photoshopを使っての方法を説明します。
EIZO coloredge
http://www.eizo.co.jp/products/ce/index.html
i1 センサー
http://www.xrite.co.jp/products/i1.html
色に関する設定 カラープロファイルとは
画像データには共通の色の物差しとなるカラープロファイルが埋め込まれています。プロファイルがないものは問題がありますのでカラープロファイルをphotoahopなどで破棄しないで下さい。
色々なプロファイルがあるのですがよく使うものに「sRGB」と「adobe RGB」があります。ざっくり説明すると「adobe RGB」は色域が「sRGB」比べて広く印刷にするときや、もしくは写真作品としてプリントするときに使用します。「sRGB」は「adobe RGB」に比べて再現できる色域が狭いですが汎用性に優れています。webサイトは「sRGB」の色域しか再現できないので「sRGB」で問題ありません。(撮影依頼して受け取ったデータをwebサイトにアップロードした時、色が大きく変わる場合はプロファイルが影響しているかもしれません。「adobe RGB」では表現されてた色が狭い色空間の「sRGB」に押し込まれますので明るい緑とか青がくすむことがあります。その場合は撮影者に相談してみてください。自分で調整しない方が良い場合が多いです。)
「adobe RGB」は対応しているモニターでないと正確に表示されないの気をつけてください。

Photoshop カラー設定
始める前にphotoshopカラー設定を確認してください。「編集」から「カラー設定」へと進みます。カラーマネジメントポリシーのRGBのところが「埋め込まれたプロファイルを保持」になっていることを確認します。

ここの部分が下の画像のように「作業用RGBに変換」なっているとphotoshopが勝手にプロファイルを変換してしまいます。一度確認しておいてください。

プリント設定
photoshopの「ファイル」から「プリント」を選びます。

赤で囲まれている部分のカラー処理を「Photoshopによるカラー管理」を選び、プリンタープロファイルをプリントする紙に合わせます。マッチング方法は「相対的な色域を維持」にします。ここ大事です。「知覚的」は基本的には駄目です。「知覚的」をおすすめされることもあるかと思いますが、ここは「相対的」です。「知覚的」は変換先のプロファイルに自然に収まるように変換するので全体の色が動いてしまいます。高彩度の写真だと彩度が全体に低くなる傾向があります。全体に色が動いてしまったら何のために色調補正をしたかわからなくなるので、変換先プロファイルからはみ出た部分以外を動かさない「相対的」で変換するべきです。
青で囲まれた「プリント設定」をクリックします。epsonのプリンターの場合下のような画面になります。プリンターで色を調整しないように設定します。
カラー調整が「オフ」になっていることを確認します。
プリンタープロファイルはメーカーごとに用意されているものもありますので下記にリンク載せておきます。
ピクトリコ
http://www.pictorico.co.jp/system/contents/1404/
エプソン
http://www.epson.jp/products/printer/inkjet/colorio/printtechnic/icc.htm
キャノン
http://cweb.canon.jp/e-support/faq/answer/inkjetmfp/35841-1.html
ハーネミューレ
http://www.hahnemuhle-jetgraph.jp/support/icc_profile.html
ポートフォリオにおすすめの紙は
ポートフォリオにおすすめの紙は「ピクトリコプルーフ グロスDCP6」です。
本来はコート紙の印刷見本用の用紙です。最高級の紙というわけではないですがポートフォリオのファイルに入れるには必要十分だと思います。そしてなにより薄くて軽いです。枚数が多くなってもポートフォリオ重くなりにくいです。(最高級を求めるとハーネミューレではないかと。非常に価格が高いので写真を専門でやっていいなければそこまでの紙は必要ないと思います。そして重い。)一枚あたり67円ぐらい。
2017,09,29追記
おすすめ用紙
エプソン EPSON
KA4250PSKR [写真用紙 光沢 A4 250枚]
http://www.epson.jp/products/supply/shoumouhin/data/shoumouhin/ka4250pskr.htm
おすすめの紙見つけました。ピクトリコプルーフより厚くて重いのが難点ですが、光沢紙ですのでコントラストも高く黒もピクトリコより締まります。業務用らしいので裏面にepsonのロゴのプリントもなくすっきりしています。250枚もいらないかもしれませんが一枚あたり45円ぐらいと安いです。プロファイルは「写真用紙<光沢>」を選んでください。
2019,11,22 追記
Argyllによるプリンターのキャリブレーションについて
キャリブレーションは非常に精度が高いArgyllがおすすめです。
macでのインストールは/ Applicationsフォルダーに展開してください。ターミナルからパスを通す必要があります。
Argyllの使い方。
事前にメーカーのプロファイルがあるものはそれを読み込んでから使います。プロファイルを/homeにコピーしておいてください。センサーはColormunkiを使います。
targen -v -d2 -c PX-5002.icc -G -g16 -f420 name
nameは作成するプロファイル名この場合はPX-5002.iccを読み込んでいます。420パッチで作成しています。これ以上多くてもあまり変わりません。
printtarg -v -iCM -h -R1 -T300 -p A4 name
Colormunki用のA4の印刷用ファイルを作成します。
chartread -v -H -T0.4 name
チャートの読み込み
colprof -v -qh -r1.0 -D”description” name
相対的なレンダリングでプロファイルを作成。descriptionは表示されるプロファイル名になるのでわかりやすように入力。
profcheck -k <name.ti3> <name.icc>
プロファイルのチェック。DE2000のエラーは3未満ぐらいになっていれば問題なく作成できています。
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