他の道に比べて、起伏も少なく、景色も代わり映えのしない平野部か山に挟まれた谷あいの道がカーブも少なく青森まで続いている。やはり何度走っても単調な高速道路に変わりはなかった。 …
会社員時代の思い出とスタッフ募集。
大学時代は作品作り、課題、バイトと若さゆえの過剰な自意識を抱えた平凡な学生生活だった。特別将来の展望があったわけではないしこのままの生活が続くような気もしていたが、実際にはそのようなこともなく猶予されていた時間は卒業とともに終了した。どうせ働 …
技術的には鎌倉なんだけど、個人的には平安が好き
京都で仏師の工房で働いていた友人が数年前から日光に移り住んで、オムライス専門店を開店して閉店させていた。年末に柴又の実家に帰ってくるのに合わせて、彼と金町駅南口で待ち合わせた。 …
上海ー東京
「はやとさん危ないのことよ。」 一人暮らしの頃よく通った同じ年の仲の良い中華屋の店主が、その体には小さすぎる厨房から興奮して身を乗り出してきた。店内のテレビからはその日の昼間に起こった福島第一原発の水蒸気爆発が映し出されている。 …
失われた風景と森のテラス。
東北道の盛岡インターを降り雫石方面へと国道46号線を走り、田沢湖の周回道路を経て国道105線をひたすら北上する。105号線を秋田縦貫鉄道と並行して走っていると比立内(ひたちない)、笑内(おかしない)、阿仁合(あにあい)など、見慣れないアイヌ語 …
ショート、シーバス、ナイトパック
二年ほど音信不通だった友人から突然電話がかかってきて多摩川を越えたところにある駅前で待ち合わせた。1月のまだ正月の雰囲気が残った19時過ぎの駅前の商店街は人で賑わっている。人混みでもひと目でわかる長身で華奢な猫背気味の彼は踏切の向こうから片手 …