はじめに
Dji Mavic 2 ProのRAWデータの色がひどいことになっていたので、カメラ入力プロファイルを作成しました。(とくにCapture oneがAdobeのDNGに対してまるでやる気が感じられないので。)RAWデータの現像が前提の話ですので、撮って出しのJPGは関係ないです。
カメラメーカーや現像ソフトの「味」とか「特徴」とか「アウラ」などから自由になり、観察者1931というオーバーロードみたいなものや主観的な解釈の伴わない世界の話です。わたしたちが自由にコントロールしていると思っている色も実は知らず知らずのうちにあらかじめ与えられ、選ばされています。
プロファイルを作ってみるとメーカーの作ったプロファイルは良くできているとも感じます。
Dji Mavic2 Proのカメラ入力プロファイルのダウンロードはこちら
補足
lightroomのプリセットとは別ものです。(拡張子が.xmp、.lrtemplateとか。これはただ現像処理のパラメーターを保存しただけです。カメラ入力プロファイルはACRなら.dcp。それ以外なら.iccや.icmなどに拡張子がなっています。)lightroomのプリセットはADOBEのカメラ入力プロファイルと現像パラメータの調整を合わせたものですが、カメラ入力プロファイルは現像処理の全てのスタートになるプロファイルです。lightroomやACRの.xmpとなって現像プロファイルはセンサーの違いを考慮しないものですので、カメラごとに違った仕上がりになります。またプリセットを適応してもパラメーターが0のまま動かないのでどんな処理しているかわからないので知らず知らず破綻している可能性はあります。ColorChecker Passport.appで作ったプロファイルは配布を禁止されています。
写真の色が実際の色と違う
カメラメーカー、現像ソフトそれぞれに独自に主観的な色をデザインしてを作っています。多くのソフトが中間調からハイライトからかけて暖色系にし、影には寒色系の補正をすることによって自然な見た目を作り出し、独自のトーンを作り出しています。トーンカーブも適用されているのでまさにフィルムルックな見た目がRAW現像のスタート時点で与えられています。フィルムルック調のRaw現像とはチゲ鍋のようにトートロジーだということができます。
カメラメーカーや現像ソフトはニュートラルな色にはしていません。なぜならニュートラルな色にするとどのカメラもどの現像ソフトもほとんど同じ色になってしまい、カメラや現像ソフトの特徴が無くなってしまうからです。実際ニュートラルなカメラ入力プロファイルを使うとキャノン、ソニー、DJIのカメラもほぼ同じ色になります。
観察者1931とカメラ入力プロファイル
カメラ入力プロファイルはカメラセンサーの色の感度と人間の目は一致しないため、RGBで構成されたセンサーの応答を人間の三刺激値(x,y,z)に変換するものです。人間の可視スペクトルは標準観察者1931によって数学的にモデル化されています。
実際のカメラプロファイルはカラーマトリクス補正を行い非線形LUTで色の精度とグラデーションの調整をして色域圧縮を行いトーンカーブを適用、その後にルックが調整されています。この一連の作業が現像ソフトなどで表示されるカメラプロファイルです。これらのプロファイルは明度を考慮しない、汎用プロファイルになっています。
RAWデータを現像ソフトで開いただけですでにこれだけの処理がされ、スタート時点でニュートラルではなく、メーカーの主観的な表現がされている状態です。フィルムを使っていた頃は、フィルムそれぞれに色の傾向があり撮影するものにより使い分けていたようなものです。PKR、EPYとかEPPなど3文字で言うとプロっぽい感じがしました。
デジタルになってずいぶん経つにもかかわらず基本的にはフィルムルックな見た目がデフォルトでは使われています。デジタルになってフィルムを使っていた頃には不可能だった、一切特色のないニュートラルなものも作ることがでるにもかかわらず。
絵画の複写で色が合わない。
複写やスキャナーで使うカメラ入力プロファイルとそれ以外(実際のシーン)のプロファイルとは違うものを使います。複写ではダイナミックレンジが限られているので、明度を考慮したプロファイルを作成します。
通常の汎用カメラプロファイルでは、グレー、ベージュ、黄色のような明るい色や赤など飽和しやすい色は濁ったり、階調がなくなったりします。
補足
Adobe Camera Raw(以下ACR)の最新の処理バージョン5ではハイライトの圧縮がかなり強くかかりよりフィルムルックなエモい仕上がりになっています。写真を開いたときに見た目が地味だと「映え」ないのでユーザーが離れていってしまうのかもしれません。
カメラ入力プロファイルの実際。無個性なカメラプロファイル Dji Mavic 2 Proを例に
これらのカメラ入力プロファイルはすべてニュートラルな色をベースに作られ色域圧縮はAdobeRGBで行われた汎用プロファイルの2.5D LUTになります。主観的な色の表現は含まれていません。現像処理はいずれもカメラプロファイルの違いのみです。デフォルトのカメラプロファイルとの違いはフィルター効果のように顕著な色の変更はしていないので微妙なものです。
Adobe Camera Raw(以下ACR)用のプロファイルはダウンロードして使って頂いてかまいません。ニュートラルプロファイルにACRのカーブを適用したものとCapture one のフィルムカーブを適用したものがあります。(LightroomもACRで現像しているのでプロファイルは同じです)
Adobe Camera Raw (Lightroomも同じ)を使った例(デフォルトとニュートラルカメラプロファイル)
正直あまりデフォルトのプロファイルと違いはありません。シャドー部のブルーとグリーンの描写に違いがあります。












Adobe Camera Raw のカーブをCapture oneのフィルムカーブと置き換えたもの
ACRのカーブではなくCapture one のfilmstandardのカーブを使っています。若干コントラストが上がります。色は同じです。










Capture one 用のカメラプロファイル(デフォルトとニュートラルカメラプロファイル)
ACRに比べてCapture oneの方が違いがわかりやすいです。LCCが適用されています。












Dji Mavic 2 Proのカメラ入力プロファイルのダウンロード
Adobe Camera Raw 用(Lightroom)用の入力プロファイルは下記からダウンロードして使ってもらってかまいません。
lightroomなどのプリセットとは違い、センサーから入力されたデータは勝手に切り捨てることはないです。トーン再生オペレーターは高品位のモノを使い、現像処理の出発点になるニュートラルなカメラ入力プロファイルです。ノーエモーショナル仕様です。
Capture one用のカメラ入力プロファイルもありますが、Capture oneを使う人はほぼ商用だと思いますので有料です。 サーバー維持費程度です。注意、MAVIC2 PROのセンサー用につくっていますので、それ以外のカメラに使っても意味はないです。
Adobe Camera Raw 用(Lightroom)
user/Library/Application Support/Adobe/CameraRaw/CameraProfiles
にファイルを置いてソフトを再起動してください。
Dji Mavic 2 Pro neutral ACRカーブ DCP
Dji Mavic 2 Pro neutral DCP
Dji Mavic 2 Pro neutral c1カーブ DCP
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Capture One 用
user/Library/ColorSync/Profiles
にファイルを置いてソフトを再起動してください。カーブはfilm standardで使ってください。
Dji Mavic 2 Pro neutral ICC Profile
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