ギャラリーに入ると、光沢がある正方形の板のようなものが壁に展示されている。過去に見た作品は黒と白の光沢面が絵画として提示されていてあえて単一な色面が選ばれ、光沢にするという磨きを絵画としていた。
新作は濃いブルーの光沢面の奥に源氏香をモチーフとした模様のようなものが光や反射の具合で見えたり見えなかったりする。注意深く見ると細かい光沢面(ラメ)がクリア層の中で不規則な方向、角度で固定され視点の位置によってほぼ単一平面上にあるにも関わらず反射が不規則に変化し奥行きがあるように感じられた。
写真は”もの”そのものを写しているのではなく表面の肌理が作り出す光の反射を写しているに過ぎないし、光源以外は直接見ることはできない。
私達は連続した表面としてしか世界を見ることは出来ないが、その表面の肌理を注意深く見る事を改めて考えされられた。
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